事故後の腰痛を放置する危険性と受診を急ぐべき神経症状|太子町・網干・たつの市方面の交通事故治療・むちうち|ささき整形外科クリニック

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事故後の腰痛を放置する危険性と受診を急ぐべき神経症状

事故後の腰痛を放置する危険性と受診を急ぐべき神経症状

事故後に強まる腰の痛みやしびれを自己判断で様子見しないための目安


交通事故のあとに出た腰の痛みは、事故の日に動けたとしても、数日おくれて炎症や神経の圧迫が強まることがあるため、もとからの腰痛と決めつけずに整形外科で診てもらうことが大切です。 特に、片脚へのしびれの広がりや力の入りにくさ、おしっこや便の出かたに違和感があるときは、早めに確かめる必要があります。


この記事では、事故後の腰痛をそのままにしたときに考えられる体の変化や、救急受診も含めた急ぐ度合いの目安をまとめました。診察のときに医師へ伝えたい事故の様子のまとめ方や、レントゲン・MRIなどの検査が考えられる流れについても、くわしくご案内します。


この記事の要点まとめ


  • 事故直後に動けても腰痛やしびれが数日後に強まることがあり、整形外科での早めの相談が勧められます。
  • 脚の脱力、股の周囲の感覚低下、尿や便の異常がある場合は、救急受診を含め速やかに医療機関へ相談しましょう。
  • 事故状況と症状の変化を医師に伝え、診察に応じた画像検査や治療、リハビリについて相談します。

事故後の腰痛を放置すると何が起こるのか――遅れて痛みが強まる背景


交通事故による腰の損傷は、衝突直後には軽い重だるさしかなくても、数日かけて痛みが強まり、脚のしびれなどへ変化することがあります。 「その痛みは後から出てくるかもしれない」という前提に立ち、早い段階で骨だけでなく筋肉や腱、靱帯、神経の状態を把握しておくことが、その後の生活や仕事を守る第一歩となります。


事故当日は動けても2〜3日後に痛みが増すのはなぜか


追突などの衝撃を受けた直後は、体が強い緊張状態にあり、一時的に痛みを感じにくくなっています。しかし、衝突の瞬間にはシートベルトによる強い圧迫や、体が前後に大きくしなる負荷が腰にかかり、腰部捻挫や筋肉・腱・靱帯の微細な損傷が生じていることが少なくありません。


こうした組織の損傷に対する炎症反応や、傷ついた部位を守ろうとする筋肉のこわばりは、数時間から2〜3日かけて徐々に強まります。そのため、事故当日は普段どおり歩いたり運転したりできたにもかかわらず、翌々日になって立ち上がる動作で強い痛みが出るといった時間差の症状が現れます。


「いつもの仕事の腰痛」と思い込みやすい3つの誤解


普段から荷物の運搬や長時間の運転などで腰に負担がかかっている患者さんほど、事故後の痛みを「いつもの腰痛」と自己判断しやすい傾向があります。特に注意したい誤解は以下の3つです。


  • 直後に痛くなかったから軽傷だという思い込み:炎症は遅れてピークを迎えるため、当日の状態だけでは損傷の深さを判断できません。
  • 以前と同じ場所が痛むから事故とは関係ないという判断:元々負担がかかっていた椎間板(背骨の間でクッションの役割をする組織)や関節に事故の衝撃が加わり、新たな損傷が重なっている可能性があります。
  • 数日休めば自然に落ち着くという期待:外傷による神経周囲の炎症や組織の損傷は、単なる筋肉疲労とは経過が異なります。

以前の腰痛と比べて、立ち上がる瞬間に鋭く痛む、お尻や片脚へ重だるさやピリピリした感覚が広がるといった違いがないか、丁寧に観察することが求められます。


放置した場合に考えられる変化――慢性化・しびれの拡大・経過記録の空白


事故後の腰痛を我慢して様子を見続けると、痛みをかばう姿勢が続いて周囲の筋肉がさらに硬くなり、痛みが数か月以上にわたって長引く慢性化につながるおそれがあります。また、腰椎(腰の背骨)の周辺で炎症や椎間板の突出が進むと、脚へ伸びる神経が圧迫され、坐骨神経痛のような足のしびれや動かしにくさへ広がることも考えられます。


体のことだけでなく、手続きへの影響も見過ごせません。事故から日にちがたって初めて受診すると、その腰痛が事故によるものか、ふだんの仕事や生活によるものかを示す記録がとぎれてしまいます。警察に出す診断書や保険会社とのやりとりをスムーズに進めるためにも、違和感に気づいたら早めに受診しましょう。


重い物の運搬や長時間の運転を続けてよいかの考え方


腰の痛みや脚のしびれが出はじめているときに、重い部品の積み下ろしや中腰での作業、長い時間の運転を続けると、傷ついた筋肉や椎間板、神経にかかる負担が大きくなります。医師の診察を受けて体の状態がわかるまでは、無理な運搬や遠くへの送迎などはできるだけ控えましょう。職場にも今の状態を伝え、仕事の内容を調整してもらうことが望まれます。


一方で、痛みをこわがって必要以上に安静にしすぎると、かえって関節がかたくなってしまうことがあり、炎症を悪化させない程度に体を動かすことも必要です1。どの程度の日常動作や仕事なら続けてよいのか、コルセット(腰を支える装具)をいつまで使うべきかといった具体的な判断は、整形外科での診察に基づいて決めていきます。


ポイント

事故直後に動けたとしても、数日後に強まる腰痛は外傷による炎症や神経への影響が考えられるため、従来の腰痛と自己判断せず早めに診察を受けましょう。


受診を急ぐべき神経症状とは――事故後の腰痛の危険サインと緊急度の目安

受診を急ぐべき神経症状とは――事故後の腰痛の危険サインと緊急度の目安

事故後の腰痛では、痛みの強さだけでなく「神経の働きに異常が出ていないか」を確かめることで、受診を急ぐべきかどうかを判断しやすくなります2。 背骨の中を通る神経が強く圧迫されているサインが見られる場合は、様子を見ずに速やかな医療機関の受診が必要です。


緊急度の目安主な症状の例推奨される行動
直ちに救急受診を検討脚に急に力が入らない、股の周囲の感覚が鈍い、尿や便が出にくい・漏れる夜間や休日であっても救急外来の受診を相談する
数日以内に整形外科へ片脚のしびれが広がる、立ち上がりや前かがみで強く痛む、夜間に痛みで目が覚める仕事や運転の負担を控え、早めに整形外科を受診する
経過を記録し早めに相談腰の重だるさが続く、動き始めに違和感がある事故状況と症状の推移をメモし、整形外科で検査を受ける

上の表は、おおまかな目安です。腰痛の危険サイン(重い病気を疑うしるし)は、1つの症状だけで原因が決まるものではありません。医師がいくつかの所見を組み合わせて、全体を見ながら判断します。


すぐに救急受診を検討したい症状――脚の脱力・股の周囲の感覚低下・尿や便の異常


腰の背骨の中を通る神経のたばが強くおされると、脚の動きや感じかた、尿や便を出す働きに大きなさしさわりが出ることがあります。具体的には、脚に急に力が入りにくくなるといった神経の異常や、股やお尻のまわり(自転車のサドルに触れる部分)の感じかたがにぶくなる症状が、重い病気を疑うサインとされています。


さらに、尿が出にくい、尿や便が漏れてしまうといった排尿・排便の異常や、肛門をしめる力が弱くなった感じも、重い病気を疑うサインの1つとされています。また、強い衝撃のあとに激しい腰痛が続く場合は、骨折などが隠れているおそれがあります。発熱を伴う腰痛の場合も、感染症など重い病態が隠れているおそれがあります3。


これらの症状が1つでも当てはまる場合は、翌日の診療時間を待たず、救急受診を含めて早急に医療機関へ連絡してください。


数日以内に整形外科を受診したい症状――片脚のしびれ・立ち上がり時の痛み・夜間痛


救急車を呼ぶほどではなくても、数日以内に整形外科を受診したいのが、腰から片脚にかけてのしびれや痛みの変化です。事故から2〜3日経って立ち上がる際や前かがみになる動作で腰の痛みが強まり、太ももの裏やふくらはぎ、足先にかけてしびれを感じる場合は、神経の根元が刺激されている可能性があります。


また、しびれる範囲が日ごとに広がっている場合や、じっとしていても疼く、寝返りを打つたび・夜間に痛みで目が覚めるといった場合も、組織の炎症や損傷が強く出ているサインと考えられます。仕事や家庭の事情で休みにくい状況であっても、これらの症状があるときは自己判断で様子を見続けず、整形外科で詳しい確認を受けることが勧められます。


足がガクッとなる・つまずきやすいときに確認したいこと


歩いている最中に突然「足がガクッとなる」、何もない平坦な場所でつま先が引っかかってつまずきやすい、階段の上り下りや片足立ちで踏ん張りがきかないといった変化も見過ごせません。足がガクッとなる現象は膝の関節や靱帯のトラブルでも起こりますが、事故後の腰痛に伴って生じる場合は、腰から脚へ向かう神経の伝達が妨げられ、足首や膝を支える筋力が低下している可能性も考えられます。


もし脚に力が入りにくい状態で自動車の運転を続けると、ブレーキやアクセルを踏み込む動作が遅れるおそれがあり、通勤やご家族の送迎において思わぬ事態を招きかねません。腰痛に加えて足の踏ん張りにくさを感じた際は、膝と腰のどちらに原因があるのかを含め、医師の診察で確認することが大切です。


市販の痛み止めで様子を見るときに気をつけたいこと


仕事や家事を休めないときに、市販の鎮痛薬を服用して痛みをしのぐかたもいらっしゃいます。


何より気をつけたいのは、薬によって一時的に痛みの感覚が軽くなったとしても、事故で傷ついた筋肉や靱帯、圧迫されている神経そのものが修復されたわけではないという点です。痛み止めで症状を抑え込んだまま重い物を持つ作業などを続けると、しびれや脱力といった神経症状が気づかないうちに進行することがあるため、薬に頼りきらずに整形外科へ相談してください。


ポイント

脚の力の入りにくさや排尿・排便の異常は直ちに受診すべきサインであり、片脚のしびれや立ち上がり時の強い痛みがある場合も、痛み止めで我慢せず早めに整形外科を受診しましょう。


整形外科で伝えたいことと、MRIなどの検査が検討される流れ

整形外科で伝えたいことと、MRIなどの検査が検討される流れ

交通事故のあとは、まず整形外科を受診し、医師による診察と画像検査を通じて骨だけでなく筋肉・腱・靱帯・神経の状態を正確に把握することが回復への第一歩となります。 受診前に伝えるべき内容を整理しておくと、限られた診察時間の中でも事故後の変化を漏れなく共有できます。


受診前にメモしておきたい事故状況・症状の経過・以前の腰痛との違い


突然の事故のあとは気持ちが落ち着かず、「医師にどう説明すればよいか分からない」と戸惑うことも少なくありません。受診の前に、スマートフォンのメモや紙に以下の項目を書き出しておくと、問診票の記入や診察がスムーズに進みます2。


  • 事故の日時と状況:追突された向き、乗車していた座席の位置、シートベルト着用の有無、車内で体をぶつけた場所
  • 症状が出始めた時期と経過:事故当日は腰が重いだけだったが、翌々日から立ち上がる際の痛みが強まった、帰宅後に片脚のしびれが出たなど、時間経過に沿った変化
  • 以前の腰痛との違い:痛む場所の深さ、痛みが出る動作、お尻や脚へのしびれの広がり方、夜間の痛みの有無
  • 仕事や日常生活への影響:重い物の運搬や積み下ろし、長時間の運転、睡眠やご家族の送迎で困っている具体的な場面

小さな違和感であっても、事故前になかった変化は遠慮なくすべて医師へお伝えください。


問診・診察からレントゲン、MRIへ――レントゲンで異常なしでも終わりではない


整形外科では、問診票の内容をもとに医師が丁寧な診察を行い、脚の筋力や皮膚の感覚、腱反射(神経の働きを調べる検査)などを確認します2。そのうえで、まずはレントゲン検査によって骨折や背骨の並びの異常がないかを調べ、症状やけがの状態に応じて超音波検査(エコー)やMRI検査が検討されます。


特に注意したいのは、「レントゲンで異常なしと言われた=どこも傷ついていない」とは限らない点です。レントゲンは骨の状態を調べるのには適していますが、椎間板や神経、筋肉、腱、靱帯といった軟部組織(骨以外の柔らかい組織)のダメージは写りにくい特徴があります。脚のしびれなどの神経症状がある場合や痛みが続く場合には、開口部が広く閉塞感の少ないオープン型MRIなどを用いて、神経の圧迫や組織の損傷を詳しく評価し、経過観察と治療を進めていきます。


治療・リハビリと仕事の両立、回復までの期間の考え方


検査と診察の結果を踏まえ、患者さん一人ひとりの症状や生活状況に合わせた治療とリハビリテーションが組み立てられます。具体的には、炎症や痛みを和らげる内服薬・外用薬・注射、機器を用いた物理療法に加え、国家資格を持つ理学療法士が医師の指示のもとで行う運動器リハビリテーションを無理のない範囲で組み合わせます。


回復までにかかる期間は、損傷の深さや神経症状の有無、仕事での負荷などによって個人差が大きく、一概に何週間と言い切ることはできません。リハビリの通院頻度は週に3〜5回程度を目安に始めることが多く、痛みの強さだけでなく、しびれの範囲、腰の動かしやすさ、睡眠や仕事への影響などを医師や理学療法士と確認しながら、状態に応じて徐々に頻度を調整していきます。なお、整骨院での施術を併用したい場合は、自己判断で通い始める前に、まず整形外科の医師へ相談し、医学的な診断に基づいた方針を確認しておくことが推奨されます。


姫路市で事故後の腰痛を相談するときの受付方法と手続きの案内


姫路市やたつの市、太子町の周辺で通勤や買い物の際にマイカーを利用されるかたにとって、継続して通院しやすい環境かどうかは大切な視点です。医療機関を受診する際は、予約なしでも受診できるか、あるいは交通事故の初回受診に対応したWEB予約や事前に入力できるWEB問診があるかを確認しておくと、待ち時間の負担を減らせます。


また、交通事故の診療では、体の治療と並行して警察へ提出する診断書や保険会社へ提出する書類の作成、後遺障害診断書への対応などが必要になることがあります。治療費の取り扱いについては、自賠責保険等が適用され保険会社による医療機関への直接支払いが確認できた場合は窓口負担が原則生じない仕組みがありますが、確認前の一時的な自費負担(一般的な初診・画像検査の相場として数千〜数万円程度。一般的な相場であり当院の費用ではありません。実際の費用や取り扱いは医療機関や保険契約、自由診療となるか健康保険等を用いるかにより異なります)が生じる場合もあります。内服薬や注射には眠気や胃腸症状、穿刺部の痛みなどの一般的なリスク・副作用が伴うこともあるため、手続きの流れや費用面の疑問、補償に関する不安(必要に応じた提携弁護士への相談など)も含め、受診する整形外科の窓口や医師へ早めに確認しておくと安心です。


ポイント

レントゲンで骨に異常がなくても、筋肉や靱帯、神経の損傷が隠れていることがあるため、事故状況と症状の経過を医師に伝え、状態に応じた検査とリハビリを継続しましょう。


よくある質問


Q. 事故の後、腰痛がなかなか落ち着かないのはなぜですか?


A. 交通事故の衝撃では、骨に骨折がなくても、腰を支える筋肉や腱、靱帯、あるいは背骨の間にある椎間板や神経に微細な損傷が生じていることがあります。レントゲン検査だけではこうした柔らかい組織の変化をとらえにくく、適切な治療やリハビリを受けないまま仕事などで腰に負担をかけ続けると、炎症や筋肉のこわばりが長引く原因となります。症状が続く場合は、整形外科で神経の働きやMRI検査の必要性を含めて相談することが勧められます。


Q. 交通事故で腰を痛めた場合、どのくらいの期間で回復しますか?


A. 回復までの期間は、衝撃の強さや損傷した組織(筋肉のみか、椎間板や神経まで影響が及んでいるか)、年齢、普段の仕事内容などによって大きく異なるため、一律の期間を示すことはできません。数週間から数か月単位での継続的な治療と経過観察が必要になるケースもあります。自己判断で通院を中断すると後から不調がぶり返すおそれがあるため、痛みやしびれ、日常生活での動かしやすさを医師と確認しながら、段階的に治療を進めることが大切です。


Q. 整骨院と整形外科はどのように使い分ければよいですか?


A. 整骨院では柔道整復師が手技などを行いますが、けがの見きわめや、レントゲン・MRIなどの画像の検査、薬や注射、警察や保険会社に出す診断書づくりは、医師にしかできません。とくに事故のあとの腰痛で脚のしびれなどがあるときは、神経や骨のようすをくわしく調べる必要があるため、整形外科にかかることをおすすめします。まずは整形外科で医師にみてもらい、そのあとの治療やリハビリ、整骨院にもあわせて通うときの注意点を相談してください。


参考文献


1. 骨関節疾患のリハビリテーション | KOMPAS – 慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト. https://kompas.hosp.keio.ac.jp/disease/000154/

2. Maselli F, Palladino M, Barbari V et al. The diagnostic value of Red Flags in thoracolumbar pain: a systematic review. Disability and rehabilitation. 2022. PMID: 32813559 / DOI: 10.1080/09638288.2020.1804626

3. 背中・腰の痛み | みんなの健康ラジオ | 一般社団法人 横浜市医師会. https://www.yokohama.kanagawa.med.or.jp/radio/2022/OA_0331-0407.html


佐々木 剛

医師


ささき整形外科クリニック

院長

佐々木 剛

▶ 監修者プロフィール

経歴
医療法人 三栄会ツカザキ病院 整形外科
とくなが病院 整形外科
医療法人 聖医会佐用中央病院 整形外科
岡山大学病院 整形外科
医療法人 淳和会長谷川紀念病院 整形外科
美作市立 大原病院 整形外科
資格・所属学会
【所属学会】
日本整形外科学会
日本整形外科超音波学会
【資格】
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
日本体育協会公認スポーツドクター